EMDRについてもう少しお話しします。
PTSDの治療の中で強いエビデンスがあるとされているのが、
PE(持続的暴露療法)
CPT(認知処理法)
EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)
の3つです。薬物療法よりも治療効果があり、効果が長く続くと言われています。
これらの3つの共通点はトラウマに焦点を当てて、トラウマに触れていくことです。
トラウマ記憶を思い出して、感情を調整し、トラウマに影響を受けた認知を修正していく
これをそれぞれのやり方で行っていると考えていただいていいと思います。
私はこの3つの中でトレーニングを受けたのはEMDRだけです。CBT系ではTF-CBTのトレーニングを受けました。
他には
などを組み合わせています。
単回性のトラウマの場合はEMDRで数回のアセスメントや安定化のワークを行ったらい、いきなり直接トラウマを扱うこともありますし、それによって比較的短期間で回復することもあります。
しかしpazにお見えになる方達の中には単回性ではなく、いわゆる複雑性PTSDと呼ばれるような症状をお持ちの方もいらっしゃいます。
幼少期からのトラウマ体験や繰り返されるトラウマ、長期間のトラウマなどがある場合は単回性のトラウマの場合のようには回復しない場合もあります。
その場合はより丁寧に時間をかけて対応していく必要があります。
言ってみれば
鋭くよく切れる包丁で切れた傷と、金ヤスリでなんども擦られた傷の違いとも言えると思います。
この場合は私は最後の仕上げとしてEMDRをすることが多いです。
色々な記憶や認知が処理されていく中で最後の最後まで残ったものがEMDRをすることできれいに処理されるような感じがします。
これは私の経験上のものであってエビデンスはないです。
このようにEMDRの使い方も色々であることを知っていただけたらと思います。
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