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2022年2月2日3 分

女児の発達障害

私はpazの他にも静岡県内の小中高の学校でスクールカウンセラーをしています。

その中で小学校の低学年までは全く問題がなく、手のかからないいい子、もしくは優等生だったのに、高学年になってから、中学生になってから、体調不良を訴えることが多くなり、学校に行けなくなってしまうというタイプの子が一定数いることが気になりました。

表向きは体調不良なのですが、実際には明確な理由がなく学校に行きたくない、行けないという状態のことがほとんどです。

このタイプのお子さんは男女ともにいますが、特に目立つのが女児です。

発達障害に該当するお子さんは一般的に男児の方が目立ちわかりやすいため、親御さんも先生方も気付きやすく、支援につながりやすい傾向があります。

女児は本人が困っていても、表面上は適応できてしまうことが多く、動きも激しくないため、見過ごされてしまい、本人の心が疲れきってしまって「学校にいけない」という状態になるまで、気が付かれないことがあります。

しかし小さい時からのお話を伺ってみると、ずっと困り感は本人は感じていたのだろうなというエピソードがあります。

例えば

  • 人見知りが激しい。男の人が苦手だった。

  • 夜なかなか寝なかった、夜泣きがひどかった、抱っこしないと泣き続けた

  • 怖がりで、暗いところや初めてのところが苦手だった

  • 真面目で言われたことを曲げることがなかなかできなった

  • 忘れ物がないか何度も確認したり、怒られることに対して非常に怖がった

  • 初めてのことや難しそうなことはやりたがらなかった

などです。

もちろんこれだけではわかりませんが、小さい時から不安が強かったり、感覚が過敏であったり、こだわりが強かったりする傾向があることが多いです。

しかし女の子の場合だと、しっかりしているとか大人しいとかような評価になり、お子さん本人が困っているのかもしれないとは考えられにくいことがあります。

また低学年の間だと求められるタスクも多くなくこなしていけるため、お子さん本人も困っていないことも多いです。

しかし高学年になると先生からの指示を正確に行うだけではなく、自分たちで考えなさいというタスクが増えてきます。求められる課題も高くなります。

人間関係も複雑になり、特に女子の間ではノンバーバル(非言語的)なコミュニケーションや含みをもたせた表現などが多用されてきます。

そうなってくると、学校の勉強で全て100点を取ることは難しくなりますし、課題自体が一つの答えを求めるものだけでもなくなります。

間違えることやわからないことに強く不安を感じるお子さんはここで大きなつまづきを感じます。自分の考えを話すことよりも正解を答えることにこだわりがあるからです。また自分の気持ちを認識し、それを言葉にすることが難しいのです。

それらが積み重なって、冒頭でお話ししたようなことが起きるのです。

さてそれではどうしたらいいのでしょうか?

一番大切なのは不安にきちんと対処できるように支援してあげることです。

不安になること自体をなくすことはできないかもしれませんが、不安を避けず、不安に対処する方法を一緒に見つけてあげること。

不安よりも楽しいこと、やりたいことを増やしていくこと。

できないこともわからないことも何でもないと思えるような経験を積んでいくこと

月並みですがこのような基本的な対応が必要です。

頭の中だけではなく経験をし、実際に体験してみる、事実を積み上げるということが一番効果があると思います。

できれば安全な場所での失敗体験があるといいですね。

各自治体では通級指導教室などがありますので、そちらを利用するのも一つだと思います。

また、pazでもSSTや個別カウンセリングで対応しております。

興味のある方はご検討ください。

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