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2020年1月29日2 分

「寒くなるにつれ元気がなくなる・・・季節性うつについて」

 みなさんこんにちは、カウンセラー佐々木です。最近は朝の冷え込みも厳しく、布団から出るのがとてもつらいです。暗いし寒いしまだ5時くらいかな、なんて思って時計を見ると6時30分!大変!遅刻だわ!と飛び起きることも(わたしだけではないはず!)。

 朝起きれない、学校へ気持ちが向かない、と話す子たちの気持ちもとてもよくわかります。実際、お正月休み明けからぽつぽつと休みが目立ってくる子もいます。

ただ寒いから起きられない、と思っている人もいるかもしれませんが、こうした人たちの中には季節性情動障害、または季節性感情障害と診断される人もいます。いわゆる「季節性うつ」ですね。

詳しい原因や、季節性うつに罹るメカニズムで、まだ解明されていない部分も多いのですが、一般的に冬の日照時間が減少することに関係しているのではと言われています。

わたしたちの体内ではメラトニンという物質が分泌され、体内時計を正しく機能させているわけですが、日照時間が減るとこのメラトニン分泌のタイミングが遅れ、朝起きれなくなるという説があります。

メラトニンは睡眠と深い関わりのある物質ですので、メラトニンの分泌が変化することで、睡眠にも変化が起きます。眠れない、もしくは、寝すぎてしまうなど、睡眠に関する変化が、「朝起きれない」ということにつながっている可能性があります。

また、光の刺激が減ることで、神経伝達物質であるセロトニンが減少し、抑うつ状態になるのではないかという説もあります。

どちらにしても、学校へ行きたくない、仕事に行きたくないという気分になりやすいかもしれません。

季節性うつの治療では、光治療といって、人工的に光を当ててメラトニン分泌のタイミングを正す方法があります。つまり、生活の中で光を浴びることがとても大切で、それによって生活リズムが整えられてゆくということに他なりません。

「朝日を浴びる」「朝食をとる」「排便をする」といったことが大切だと言われているのはみなさんご存知だと思いますが、それは「体内時計」や「メラトニン分泌」に関わりがあり、抑うつとも無関係ではないからです。

当たり前のこととして認識されていることなのであまり意識していないかもしれませんが、意識的に朝日を浴びる、日中も太陽光を浴びるということを心がけてみると、この季節の辛さが少し緩和されるかもしれません。

この季節になるとしんどい・・・という方は、朝食を食べる場所を窓際にするなど、ほんの少しの工夫をしてみてください。

朝起きたらカーテンを開けて外を見る、などのルーティーンを作ってみるのもよいかもしれません。

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